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日常生活用具給付等事業とは|視覚障害での対象品目・申請の流れ・自己負担

音声読書器や拡大読書器などの支援機器を、費用負担を抑えて購入できる「日常生活用具給付等事業」を解説。視覚障害での対象品目の例、申請の流れ、補装具費支給との違い、よくあるつまずきまでをまとめました。

日常生活用具給付等事業とは、障害のある方の日常生活を支える用具の購入費を市区町村が給付する制度で、支援機器の主要な入手経路です。

この記事のポイント

  • 実施主体は市区町村。対象品目・基準額・自己負担は自治体ごとに異なる
  • 購入前の申請が原則。先に買ってしまうと給付を受けられないのが一般的
  • 自己負担は原則1割とする自治体が多い(所得による上限・制限あり)
  • 業務で使う機器は対象外が一般的。職場導入は企業側の制度(JEED・助成金)を使う

日常生活用具給付等事業とは

障害者総合支援法にもとづく地域生活支援事業のひとつで、在宅の障害のある方に対して、日常生活の便宜を図るための用具を給付(または貸与)する制度です。国の要綱で大枠が決まっていますが、具体的な対象品目・基準額・耐用年数・自己負担は市区町村が定めるため、同じ機器でも自治体によって扱いが異なります。この記事では一般的な例を紹介しますので、最終確認は必ずお住まいの自治体窓口で行ってください。

視覚障害で対象になりやすい品目の例

視覚障害での日常生活用具の対象品目例(自治体により異なる)
品目 内容 備考
視覚障害者用読書器(音声・拡大) 音声読書器(OCR)、拡大読書器 基準額が高めに設定される代表品目。等級要件がある自治体が多い
点字ディスプレイ PC・スマホの画面情報を点字表示 対象等級・併給条件は自治体差が大きい
視覚障害者用ポータブルレコーダー DAISY図書の再生・録音機 録音図書の利用に必須の基本機器
音声・触読式の計測機器 音声血圧計、音声体温計、音声体重計、触読式時計・音声時計 健康管理・生活の自立を支える定番
調理・生活支援用具 音声電磁調理器、電磁調理器、音声はかり 安全な調理を支援
情報・通信支援用具 画面読み上げソフト、活字文書読み上げ装置 PCソフトを対象に含める自治体もある

機器のカテゴリ全体像は支援機器・用具ガイドをご覧ください。

対象者と自己負担

対象は原則として、身体障害者手帳を持つ在宅の方で、品目ごとに障害種別・等級の要件があります(例: 視覚障害2級以上など。自治体・品目により異なります)。自己負担は原則1割・所得に応じた上限ありとする自治体が多く、一定所得以上の世帯は対象外となる場合があります。

申請の流れ(一般的な例)

  1. 窓口に相談 — 市区町村の障害福祉窓口へ。品目・要件・必要書類を確認する
  2. 見積書を用意 — 販売店に「給付申請用の見積書」を依頼。専門販売店は申請書類の作成に慣れていることが多い
  3. 申請書を提出 — 手帳・見積書等を添えて申請(購入前に行うのが原則)
  4. 給付決定 — 審査を経て給付券などが交付される
  5. 購入・納品 — 決定後に購入し、自己負担分のみ支払う

審査には数週間かかる場合があります。必要な時期から逆算して早めに相談しましょう。

基準額と耐用年数の考え方

各品目には「基準額」(給付の上限)と「耐用年数」(次の給付までの期間)が定められています。たとえば読書器は基準額が高め・耐用年数が数年〜8年程度に設定されることが多く、基準額を超える機種を選ぶ場合は超過分が自己負担になります。逆に、基準額の範囲でも見え方に合わなければ意味がないため、「基準額に収まるか」と「自分に合うか」の両方を販売店・窓口と相談しながら機種を決めるのが失敗しないコツです。

申請書類の準備チェックリスト

  • 身体障害者手帳(等級・障害名の記載を確認)
  • 販売店発行の見積書(品目名は自治体の要綱の名称に合わせてもらう)
  • 製品カタログ・仕様書(求められる自治体がある)
  • マイナンバー関係書類・所得確認の同意書(自治体により)
  • 医師の意見書・訓練実績(点字ディスプレイ等、一部品目で求められることがある)

窓口相談のコツ

窓口では「◯◯という機器が欲しい」よりも、「新聞が読めなくて困っている」「血圧の管理が自分でできない」など困りごとから伝えると、該当する品目・併せて使える制度(補装具・訓練・情報センターの紹介)まで案内してもらいやすくなります。担当者が視覚障害の品目に詳しくない場合もあるため、販売店や視覚障害者情報センターに相談して品目名を確認してから窓口に行くのも有効です。

補装具費支給制度との違い

日常生活用具給付と補装具費支給の違い
観点 日常生活用具給付等事業 補装具費支給制度
位置づけ 地域生活支援事業(市区町村裁量が大きい) 法定の個別給付(全国共通の枠組み)
視覚障害での対象例 読書器・点字ディスプレイ・音声計測機器など 白杖(盲人安全つえ)・義眼・眼鏡
窓口 市区町村 市区町村

よくあるつまずき

  • 先に購入してしまった — 購入後の申請は認められないのが原則。まず窓口相談から
  • 耐用年数内の再申請 — 品目ごとに耐用年数が定められており、期間内の買い替えは原則対象外(故障・修理不能などの例外は要相談)
  • 転居後の扱い — 制度は市区町村ごとのため、転居先では品目・基準額が変わることがある
  • 業務用途での申請 — 職場で使う機器は対象外とされるのが一般的。企業側でJEEDの無料貸出や助成金を使う(視覚障害のある方の雇用ガイド参照)

購入までの実例イメージ

例として、拡大読書器(基準額の範囲内・自己負担1割の自治体)の場合、①窓口相談と品目確認 ②販売店で実機を体験し見積書を入手 ③申請 ④2〜4週間で給付決定 ⑤納品時に自己負担分のみ支払い、という流れになります。実機の体験は地域の視覚障害者情報センターでもでき、機種選びの相談ごと販売店を紹介してもらえることもあります(拡大読書器の選び方も参考にしてください)。

よくある質問

手帳がなくても申請できますか?
原則は身体障害者手帳が必要です。難病等で手帳がない場合の特例を設ける自治体もあるため、窓口でご相談ください。
どの製品でも選べますか?
品目の範囲内であれば機種は選べるのが一般的ですが、基準額を超えた分は自己負担になります。見積り段階で販売店・窓口と相談してください。
申請から納品までどのくらいかかりますか?
自治体の審査期間により、おおむね2週間〜1か月程度が目安です(概算・時期により変動)。
インターネット通販での購入も対象になりますか?
給付券方式の自治体では、取扱契約のある販売店に限られる場合があります。購入先の指定有無を窓口で確認してください。
申請が認められなかった場合はどうすればよいですか?
要件(等級・所得・耐用年数)のどれに該当しなかったかを窓口で確認しましょう。品目の変え方や、補装具費支給・他の助成でカバーできる場合もあります。
家族が代理で申請できますか?
多くの自治体で家族等による代理申請が認められています。委任状の要否を窓口に確認してください。
スマホやパソコン本体は給付対象になりますか?
汎用機器(スマホ・PC本体)は原則対象外です。読み上げソフトや周辺の専用機器を対象とする自治体はあります。
修理費用も給付されますか?
品目により修理費の給付を設ける自治体があります。補装具(白杖等)は修理も制度の対象です。

本記事は一般的な情報です。対象品目・基準額・自己負担・手続きは市区町村により異なるため、必ずお住まいの自治体の障害福祉窓口でご確認ください。出典: 厚生労働省「日常生活用具給付等事業の概要」「補装具費支給制度の概要」。最終更新: 2026年7月。