アクセシビリティ

視覚障害者情報センター(点字図書館)とは|できること・全国の施設の探し方

視覚障害者情報センター・点字図書館は、点字/録音図書の貸出だけでなく、支援機器の体験・用具の販売・生活相談・講習まで担う地域の拠点です。できること、全国の施設の探し方、企業からの相談まで解説します。

視覚障害者情報センターとは、点字・録音図書の貸出や支援機器の相談・体験、生活訓練の案内などを担う視覚障害者情報提供施設の呼び名で、全国の都道府県等に設置されています。

この記事のポイント

  • 「点字図書館」の名で知られるが、実際の機能は本の貸出をはるかに超える地域の総合拠点
  • 支援機器の展示・体験、用具の販売・斡旋を行う施設もあり、機器選びの実質的な入口
  • 全国の施設は全視情協(全国視覚障害者情報提供施設協会)の会員一覧と自治体の障害福祉窓口で探せる
  • 企業からの相談(社員の受障・雇用時の機器選定)に応じてくれる施設もある

視覚障害者情報センターとは

身体障害者福祉法にもとづく「視覚障害者情報提供施設」の通称で、地域により「点字図書館」「情報センター」「ライトセンター」など呼び名はさまざまです。都道府県・政令市を中心に全国に設置され、視覚障害のある方とその家族・支援者、そして企業や学校からの相談も受け止める、視覚障害に関する地域の情報ハブです。

「図書館」の名前から本の貸出だけを想像されがちですが、実際には次のように機能が広く、「見えにくくなって最初に相談する場所」としての役割を担っています。

できること一覧

視覚障害者情報センター(情報提供施設)の主な機能(施設により異なる)
機能 内容
点字・録音図書の貸出 郵送貸出(点字郵便物は無料扱い)や、後述のサピエ図書館経由のダウンロード
支援機器の展示・体験 拡大読書器・音声読書器・デイジー機器などを実際に触って比較できる
用具の販売・斡旋 白杖・音声時計・生活用品などを扱う用具部門を持つ施設がある。メーカー・販売店からの卸を受けて提供する地域も
給付制度の相談 日常生活用具給付の品目・申請手順を地域の実情に沿って助言
講習・訓練の案内 スマホ(VoiceOver)講習、パソコン講習、歩行訓練・生活訓練の窓口
ボランティア養成 点訳・音訳ボランティアの養成講座(地域の支え手づくり)
相談対応 本人・家族のほか、企業・学校からの相談に応じる施設もある

サピエ図書館 — 全国ネットワークの中核

全国の情報提供施設・団体(約220施設)が加盟する「サピエ」は、点字データ・音声デイジーデータを全国で共有するオンライン図書館です。地域の施設に利用登録すると、全国の施設が製作した膨大な点字・録音図書を自宅からダウンロードまたは郵送で利用できます。運営は全視情協(全国視覚障害者情報提供施設協会)が担っています。

全国の施設の探し方

  1. 全視情協の会員施設・団体一覧を見る全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)のサイトに全国の会員施設一覧があります。お住まいの都道府県名で探せます
  2. 「(都道府県名)視覚障害者情報センター」で検索する — 地域により「点字図書館」「ライトセンター」等の名称でヒットします
  3. 自治体の障害福祉窓口で聞く — 手帳の手続きとあわせて、地域の施設・訓練機関を案内してもらえます

代表的な施設としては、東京の日本点字図書館、大阪の日本ライトハウス情報文化センター、名古屋ライトハウス情報文化センターなどが広く知られており、用具販売やICT支援まで幅広く手がけています(利用条件・サービスは各施設の公式情報をご確認ください)。

企業からの相談 — こんな場面で頼れる

情報センターは当事者・家族だけの場所ではありません。企業の担当者にとっても、次の場面で心強い相談先になります。

  • 社員が中途で視覚障害になったとき — 使える支援機器・訓練・制度をまとめて相談し、職場復帰の道筋を描く
  • 視覚障害のある方の採用時 — 機器の選定・体験の場として。JEEDの機器貸出と併用すると入社前検証がスムーズ(視覚障害のある方の雇用ガイド
  • 社内資料・システムのアクセシビリティ相談 — 読み上げ対応の考え方について助言を得られる場合があります(無料のWeb診断もご活用ください)

訪問前に電話で「企業からの相談」である旨と内容を伝えると、対応可否も含めてスムーズです。

利用の流れ(個人の場合の一般例)

  1. 地域の施設に電話・メールで相談(手帳の有無・見え方・困りごとを伝える)
  2. 利用登録(施設・サービスにより要件が異なる。手帳がなくても相談は可能な施設が多い)
  3. 図書貸出・サピエ登録・機器体験・講習など必要なサービスへ
  4. 機器の購入は日常生活用具給付の事前申請とセットで進める

他の相談先との使い分け

視覚障害に関する主な相談先の使い分け
相談先 得意なこと こんなときに
視覚障害者情報センター 機器・図書・生活情報・講習の総合案内 まず何があるか知りたい。機器を触って選びたい
眼科のロービジョン外来 医学的評価と補助具の処方・訓練 見え方に合う光学的な補助(遮光眼鏡等)を知りたい
地域障害者職業センター・JEED 就労の専門支援・職場適応・機器貸出 働く場面の課題を解決したい(企業・本人とも)
ハローワーク(専門援助部門) 求職・求人・雇用制度の手続き 仕事を探したい。企業として採用したい
自治体の障害福祉窓口 手帳・給付・福祉サービスの申請 制度を使いたい(日常生活用具・補装具など)

迷ったら情報センターに最初に相談し、そこから適切な窓口につないでもらうのが近道です。

相談前に整理しておくと良いこと

  • 見え方の状況 — いつから・どのように見えにくいか(診断名・手帳の等級が分かればなお良い)
  • 困っている場面 — 読み書き・移動・スマホ・仕事など、具体的な場面のメモ
  • 使ったことのある道具 — ルーペ・スマホの拡大機能など、試したものと感想
  • 企業の場合 — 対象社員の業務内容・使用システム・相談の目的(機器選定か、復職設計か)

完璧に整理できていなくても大丈夫です。「何から聞けばいいか分からない」という相談自体を、施設は日常的に受け止めています。

よくある質問

手帳がなくても利用できますか?
相談は手帳の有無を問わず受け付ける施設が多くあります。図書貸出やサピエの個人登録は視覚障害等により活字が読みにくいことが要件で、施設・サービスごとに異なるため、まず相談してください。
利用料はかかりますか?
図書の貸出・郵送(点字郵便物等)は無料の仕組みが整っています。講習や用具購入など一部実費のものがあります。
点字が読めなくても意味がありますか?
あります。実際の利用の中心は録音図書(デイジー)や機器・生活相談で、点字を使わない方も多く利用しています。
家族や支援者だけで相談に行ってもよいですか?
多くの施設で可能です。中途で見えにくくなった本人がまだ外出に不安がある段階では、家族が先に情報収集に行くケースも一般的です。
電話やオンラインでの相談はできますか?
電話相談はほとんどの施設で可能です。オンライン相談や講習のオンライン開催に対応する施設も増えています。来館が難しい場合はまず電話で相談してください。
企業として機器を選びたい場合、最初の一歩は?
①本人の見え方と業務内容を整理→②地域の情報センターで体験相談→③JEEDの無料貸出で業務検証→④助成金で導入、の順が失敗の少ない流れです。

施設ごとにサービス内容・利用条件は異なります。最新情報は各施設および全視情協の公式サイトでご確認ください。出典: 全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)公式サイト、サピエ図書館、各施設公表情報。最終更新: 2026年7月。