障害者雇用・D&Iの実務で登場する用語を、制度・支援機関・職場・アクセシビリティの4分野に分けて簡潔に解説する用語集です。
この用語集について
- 実務でよく出る30語を、1語60〜120字で定義
- 詳しく知りたい語には関連記事へのリンク付き
- 新しい用語・制度改正があれば随時追加・更新します(最終更新: 2026年7月)
制度・法律の用語
- 法定雇用率
- 企業に義務づけられた障害のある方の雇用割合。民間企業は2.7%(2026年7月〜)で、常用労働者37.5人以上の企業が対象です。→ 重要数字まとめ
- 実雇用率
- 自社が実際に雇用している割合。法定雇用率と比べて達成状況を判定します。カウント方法に短時間勤務0.5人分などの規則があります。
- 障害者雇用納付金
- 法定数に不足した場合に納める調整金銭。常用100人超の企業が対象で、不足1人あたり月5万円(200人以下は減額特例あり)。罰金ではなく負担調整の制度です。
- 障害者雇用調整金
- 法定数を超えて雇用する企業(常用100人超)に支給されるお金。超過1人あたり月29,000円です。
- 除外率
- 一部業種で雇用義務の計算から労働者数の一定割合を除ける制度。2025年4月に一律10ポイント引き下げられ、段階的廃止の方向です。
- ロクイチ報告(障害者雇用状況報告)
- 毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークへ報告する義務。提出期限は7月15日。→ ロクイチ報告ガイド
- 特例子会社
- 障害のある方の雇用に特別の配慮をした子会社。認定を受けると親会社・グループ全体の雇用率に通算できます。
- 合理的配慮
- 障害のある方が他の人と同じように働き・利用できるよう、過重な負担にならない範囲で行う個別の調整。2024年4月から民間事業者も提供義務があります。
- 障害者手帳
- 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の総称。雇用率に算定できるのは原則、手帳を持つ方です。
- もにす認定
- 障害者雇用の取り組みが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度。採用広報や入札で強みになります。
支援機関・サービスの用語
- ハローワーク専門援助部門
- 障害のある方の就職支援を担う専門窓口。企業側の求人相談・制度案内も受け付ける、雇用の基本窓口です。
- 地域障害者職業センター
- JEEDが各都道府県に設置する専門機関。職業評価・ジョブコーチ支援・企業への助言を行います。
- 障害者就業・生活支援センター
- 就業と生活の両面を一体で支える地域機関。「なかぽつ」の通称で呼ばれ、定着支援の連携先として重要です。
- 就労移行支援
- 一般企業への就職を目指す障害のある方が、訓練・実習・就職活動支援を受ける福祉サービス(原則2年)。実習経由の採用はミスマッチが少ない経路です。
- 就労継続支援A型・B型
- 一般企業での就労が難しい方の働く場。A型は雇用契約あり(最低賃金適用)、B型は雇用契約なしで工賃を受け取ります。
- ジョブコーチ(職場適応援助者)
- 職場に出向いて本人と企業の双方を支援する専門人材。仕事の教え方や職場の関わり方を具体的に助言します。
- 就労定着支援
- 就労移行支援などを経て就職した方の職場定着を支える福祉サービス(最長3年)。企業・本人・生活面の調整役として伴走します。
- トライアル雇用
- 原則3か月の試行雇用から常用雇用への移行を目指す制度。合う・合わないを双方が確かめられ、助成金の対象になる場合があります。
- JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
- 納付金の徴収・助成金の支給・就労支援機器の無料貸出などを行う公的機関。企業支援の中核です。
職場づくり・D&Iの用語
- D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
- 多様な人材の違いを認め合い(多様性)、誰もが能力を発揮できる状態をつくる(包摂)経営の考え方。→ D&Iとは
- DE&I
- D&Iに公平性(Equity)を加えた発展形。一人ひとりのスタートラインの違いに応じて必要な調整を行う考え方です。
- People-First(ピープルファースト)表記
- 「障害者」ではなく「障害のある方」のように、人を先に置く表記・考え方。障害を人の属性のひとつとして扱います。
- アンコンシャス・バイアス
- 本人が自覚しないまま持つ思い込み。「この業務は無理だろう」という決めつけが機会を狭めます。対処は事実(スキル・実績)で判断する仕組みづくりです。
- 業務切り出し(職域開発)
- 各部署の業務を棚卸しし、切り出せる仕事を組み合わせて職務をつくること。採用前に行うと定着率が大きく変わります。→ 業務切り出しガイド
- ナチュラルサポート
- 上司や同僚が日常業務の中で自然に行う配慮・支え合い。外部の専門支援から職場内の支援へ引き継いでいくことが定着の目標形です。
- ピアサポート
- 同じ立場・経験を持つ当事者同士による支え合い。支援サービス選びでは、当事者スタッフが支援に関わっているかが質の指標になります。
アクセシビリティ・支援機器の用語
- Webアクセシビリティ
- 障害の有無や年齢にかかわらず、Webサイトの情報や機能を利用できること。JIS X 8341-3が国内の基準規格です。→ 対応ガイド
- スクリーンリーダー
- 画面の文字情報を音声で読み上げるソフトウェア。視覚障害のある方のPC・スマホ利用の基盤です(PC-Talker、NVDA、VoiceOverなど)。→ 種類と職場導入ガイド
- ロービジョン
- 視覚に障害があり「見えない」ではなく「見えにくい」状態の総称。拡大・コントラスト調整・照明の工夫などが有効で、必要な配慮は全盲の方と異なります。
- デイジー(DAISY)
- 視覚障害のある方などのための録音図書の国際規格。専用再生機やアプリで、章や見出しから聞きたい場所へ移動できます。
- 日常生活用具給付等事業
- 音声読書器や拡大読書器などの購入費を市区町村が給付する制度。品目・自己負担は自治体ごとに異なり、購入前の申請が原則です。→ 申請ガイド
この用語集の使い方
社内研修の資料づくり、稟議書の用語説明、支援機関との打ち合わせ前の予習などに自由にお使いください(引用時は出典として本ページをご記載ください)。「この用語も載せてほしい」というご要望はお問い合わせからお寄せください。制度改正があった用語は随時更新します。ブックマークしておくと、打ち合わせ中に出てきた用語をその場ですぐに確認できる小さな辞書としても使えます。
よくある質問
- 「障害者」と「障害のある方」はどちらが正しいのですか?
- 法令・制度名は「障害者」が正式名称のためそのまま使います(障害者雇用促進法など)。人を指す場面では「障害のある方」のPeople-First表記が広がっており、当サイトもこの方針です。
- ひらがな交じりの表記(がい・碍)は使わないのですか?
- ひらがな表記を採用する自治体・企業もありますが、当サイトは法令表記との一貫性と、社会モデル(障害は社会の側の障壁という考え方)の立場から漢字の「障害」で統一しています。
- 用語の意味が制度改正で変わったらどうなりますか?
- 本ページを更新し、最終更新日を明記します。数字系の最新値は「重要数字まとめ」で管理しています。
各用語の定義は一般的な理解のための要約です。制度の正確な適用は関係法令・所管官庁の公表情報をご確認ください。出典: 厚生労働省・JEED等の公表資料。最終更新: 2026年7月18日。
